- エスカトスの世界観など作曲するにあたって心がけたところを教えてください。
まず、「空想科学的なカッコよさ」を第一に、アツい気持ち!で作曲に取り組みました。 世界観としてはゲーム中やストーリーでの描写説明が少ないため、自分なりにプレイヤー機のパイロットやその周辺の人々や、 世界各地の人類の思いなどにもイメージを膨らませつつ、ステージごとのスピード感や自機の操作感、敵演出のテンポ感などの具体的な部分と合わせて表現しました。
またエスカトスは一定のタイミングでエリア進行するゲームではありませんが、可能な限りプレイ時の演出とマッチするように曲構成を調整していましたので、 プレイ中にその辺りにも共感して頂けたら嬉しいですね。
- 実際にゲームと曲を合わせたものをご覧になって、印象はいかがでしょうか?
BGM制作の初期段階では、ゲーム内の世界観をどう捉えるべきか明確でなかった事もあってしばらく方向性に 悩みましたが、前述の通り、次第に自分の中でストーリー的なものが補完されていきましたので、自然と 『エスカトスの音』にまとまったかなと思います。また本作のサウンドデザインとしては、だいたい 【FM音源8声+PCM音源8声】くらいの仕様でまとめていましたが、これも良い具合に映像とマッチした アツいサウンドに仕上がったかなと思います。
- ゲーム業界デビューのきっかけを教えてください。
子供の頃からLSIゲームやコンシューマ・アーケードゲームが大好きで、小学生の終わり頃には現在の私の上司 となる細江慎治(SuperSweep代表取締役)さんの作品などをはじめ、様々なゲーム音楽を聴きこんでいました。
次第に自分でもモノ作りがしてみたくなってMSXのプログラミングを始めましたが、徐々に音楽の プログラムやシンセサイザーの打ち込みにハマっていき、自然とゲームサウンドクリエターを目指して 学生時代を過ごしていました。時代的には就職氷河期でもありましたが、家族や友人・知人のお力添えもあり 幸運にもこうして音屋としてお仕事をさせて頂いております。
- ゲーム音楽を作るにあたって重要視しているところを教えてください。
当たり前の事ですが、そのゲームごとに「どういう音にすべきか?」を考えていきたいと思います。 それは単純に良い曲である場合もあれば、音からも世界観を表現する事や、全ての音に意味を持たせる事で あったり、また開発者のエゴに片寄らない事でもあれば、反対にエゴを押し通す時もあります。 いずれにしても、自らで何らかのやり甲斐を生み出していく事が、良いモノ作りに繋がるかなと思います。
また開発面から申しますと、開発ターゲットと期間・予算に見合った最適なサウンド制作プランを提案する事も重要です。 ゲーム音楽と言っても最も重要なのはその”ゲーム”ですので、そのプロジェクトごとに何が大事であるかを理解した上で、 サウンドのノウハウを活かした提案をさせて頂きつつ、効率的に良いモノを作る事も重要だと思います。
- たくさんあると思いますが好きなゲーム、好きなゲーム音楽を教えてください。
これは難問ですね!うーん…ほんの一例になってしまいますが、”イメージファイト”はアーケードで初めて 「攻略するぞ!」と思ってやり込んだゲームでしたので思い入れが深いです。様々な武器を使いこなしていくゲームシステムや、 メタリックなグラフイックとサウンドがカッコよかったですね。割と最近のものではオンラインFPSやRPG、 某狩りゲームのシリーズなどにもかなりの時間を費やしてしまいました。(笑)
またゲーム音楽では、これも一例になってしまいますが、ファミコンの”ドラゴンスレイヤーⅣ ドラスレファミリー”は、 友達とテレビの前にラジカセを置いてゲームの音を録音し、初めて自作サントラを作った思い出の深いゲーム音楽です。 今聞いても、私にとって「名曲とは何であるか」を再認識させてくれる作品の一つです。
- エスカトスを発表してからのネットでの反響を見てどう思いましたか?
やはり完全な新規タイトルでありながらレトロテイスト全開ということでドキドキしていましたが 国内だけでなく海外でも予想以上の反響があり、またプロモーションビデオ中に聞こえるBGMにも多くのご期待を頂けているようで、発売がとても楽しみです。
- もし次回作があればまたお願いしてもいいですか?
もちろんです!
今回はゲーム本編がかなり出来ている状態からBGM制作をさせて頂いておりましたが、
ぜひ初期段階からご一緒に試行錯誤させて頂きつつ面白いものを作りたいですね。また効果音も少しだけお手伝いをさせて頂いておりましたが、
音楽を共としたサウンド演出として、より密にお手伝いさせて頂けると嬉しいです。
- 発売を予定しているエスカトスのサウンドトラックについて教えてください。
私の方でサントラの企画を立て、ブックレットデザインの原案作成からアレンジ発注そしてCDマスタリングまで、 モリモリと制作進行中です。またアレンジバージョンでは、私の長年の夢でもありました米光亮さんにお願いさせて頂きました。 開発完了から結構な時間が経ってはいるのですが、何度聞いても飽きない良い曲が出来たな~と… 自画自賛していますので(笑)、ぜひお楽しみに!
- 最後に何か一言ありましたらお願いします。
エスカトスは、私の子供の頃からの「ゲーム、やりてえ!」という気持ちを思い返しつつ、 それを素直にゲーム音楽として反映できた思い入れ深いゲームですので、ぜひメロディを口ずさみながら遊んで下さい!
- ありがとうございました。